キュティアに来院される患者さんの多くは10歳以上のシニア犬ですが、中には5歳前から通院されるワンちゃんもいます。
パテラの手術はしたくない
4歳から通っているチワワのポメリくんもその一人です。ポメリくんは生まれつき膝蓋骨脱臼(パテラ)という病気をもっていました。パテラは膝関節の滑車溝が浅く膝蓋骨がずれて脱臼してしまうもので、小型犬に多く見られます。このような先天的な骨や関節の異常は生まれつき「腎」の弱いコによく見られます。
昨年からパテラをかばい時々跛行するようになったため、痛み止めを時々使うようになっていたそうです。なるべくならパテラの手術をしたくないが痛みは軽減してあげたいと来院されました。
ご飯のときも唸る
ポメリくんはその他にも朝ごはんを時々食べなかったり、急にスイッチが入って怒りっぽくなって飼い主さんを咬んでしまったり、ハァハァ呼吸が荒くなったりすることがありました。ごはんを食べる時もウーウー怒りながら食べていました。
これらは「肝」の不調からくる症状です。月1回の鍼灸治療に加え、肝と脾の調子を整え、気の巡りをよくしてくれる抑肝散加陳皮半夏という漢方薬も飲んでいただきました。
鍼灸治療にも慣れてきて
最初の頃は鍼灸治療中も警戒して足を触ろうとすると怒っていましたが、何回かやっていくうちに鍼灸治療にも慣れてリラックスできるようになりました。ごはんも完食するようになり、怒りながら食べることもなくなりました。パテラの跛行もよくなり、お散歩も随分歩けるようになりました。
とても調子の良かったポメリくんですが、5月のGW明けあたりからまた少し食欲が落ち、トッピングをしないとドライフード食べなくなってしまいました。そして、痰がひどくからむようになり、呼吸がぜいぜいしたり、痰を出したくてえずいたりするようになってしまいました。これは連休明けから急に湿度が高くなったのが原因と考えられます。
利湿をしてみる
もともと少しぽっちゃり体型で「湿」がこもっている体質だったので湿気の影響を受けやすかったのです。そこで、室内はなるべく除湿してもらい、飲み水をハトムギ茶に変えてもらいました。ハトムギは漢方薬の生薬としても使われていて利湿の効果があります。好き嫌いのあるコだったので飲んでくれるかなと思ったのですが、喜んでガブガブ飲んでくれたそうです。
動物達は本能で自分の体に必要なものをよくわかっているのですね。エアコンで身体が冷えやすいのと、湿気は冷えると身体から出しにくくなるので棒灸を自宅でやってもらうようにお願いしました。すると、痰のからみも落ち着き、呼吸が楽になったそうです。
ハトムギ茶、おすすめです!
これから梅雨本番!湿気のせいで、
・なんとなく体や関節が重だるい
・食欲がでない
・皮膚病が悪化したり湿疹が出てきた
などという時にはぜひハトムギ茶を試してみてください!
ハトムギ以外にもトウモロコシのひげ茶でもOK!手作りごはんやお肉のトッピングをされている方は、ゆでる時にローリエの葉を入れて煮てもらうのもオススメです。
ハトムギ茶を使ったレシピもHPで公開していますので参考にしてみてください☆
https://cutia.jp/shiniaken-rouken-tezukuri-gohan.html
それではハッピードックライフ♪
獣医師 佐々木彩子