こんにちは
獣医師の横山です。
先日
家族総出で庭の梅の収穫を行いました。
今年も無事豊作。
2本合わせて23kgの立派な梅の実を
とることができました。
我が家では梅干しにするのは5kg程で
残りは全部梅シロップにしてしまいます。
一番おいしいのは
お風呂上りに氷をたくさん入れて飲むこと!
家族みんなが大好きで
小1の娘などは梅の花が咲いた時から
「梅のジュースはいつできるの?」
と聞いてくるほどです。
この梅シロップ
私が子供のころは風邪でのどが痛いとき
などに出される「桃缶」的存在でしたが
あらめて薬膳としての作用を調べてみると
【梅】
暑気あたり・嘔吐・関節痛・咳・
のどのつまり感・汗の出すぎ・食欲増進
などなど
【氷砂糖】
食欲不振・から咳
まさに夏バテ予防や風邪の症状緩和に
ぴったりの飲み物だったのです。
このように薬膳というのは
実はみんな知らず知らずのうちに生活に
取り入れている身近なことだったりします。
キュティアでは治療の一環として
薬膳を用いた犬のトッピングご飯の
アドバイスをさせていただいてます。
今回はその中からいくつか
体質別のおすすめ食材を紹介させて
いただきます。
【腎虚(じんきょ)】
東洋医学では加齢によって生じる
足腰や泌尿器のトラブル
白内障
耳が遠くなる
といった症状は「腎」の気がすくなくなる
「腎虚」により起こると考えられています。
また関節の形成不全など
生まれつき体のどこかに弱いところがある
場合も「腎虚」の体質にあたります。
そういった体質では
豚肉
鶏レバー
鰹節
黒ゴマ
ゴボウ
キャベツ
クコの実といったもの
で腎の精気を補うとよいでしょう。
【肝陽上亢(かんようじょうこう)
肝鬱気滞(かんうつきたい)】
肝の力が大きくなりすぎて
気が上に上がり
のぼせた状態になることを
肝陽上亢といいます。
目の充血
イライラ
てんかんなどをおこします。
そして肝鬱気滞では
肝に熱がたまることで胆汁うっ滞
などがおこります。
肝の機能を正常にする菊花
トマト
ピーマン
ごく少量のお酢に熱をさますたけのこ
バナナ
豆腐のほか
気を下におろすためには
腎精を補うために前述の腎虚の食べ物も
加えるとよいでしょう。
【湿熱(しつねつ)】
春の終わりごろから夏にかけて
皮膚が赤くなりかゆみが出てきたり
膀胱炎になったり
べっとりとした耳垢がたまってしまう
わんちゃんはこの湿熱のしわざです。
子犬の時から目ヤニが多い
というのも湿熱がたまりやすい体質である
と考えられます。
汗により湿を発散させる
生姜
紫蘇
香菜
おしっこを出しやすくするハト麦
冬瓜
小豆
緑豆(春雨が使いやすいです)
のほか
湿を乾燥させてくれる
陳皮(みかんの皮を乾燥させたもの)
も使いやすいでしょう。
また炭水化物は
そのまま「湿」につながるため
この体質のわんちゃんは
ドライフード自体もグレインフリー
にすることをおすすめします。
【肺燥(はいそう)】
カラ咳など呼吸器系のトラブルがあったり
乾燥性の皮膚のかゆみがでるのが肺燥です。
陰の気を補い体を潤す作用のある
梨
リンゴ
豆腐
長いも
などがよいでしょう。
【脾虚(ひきょ)】
下痢をしやすいなど
消化器系のトラブルが起こりやすいのは
脾の気が弱い「脾虚」の体質であることが
考えられます。
健脾の作用のある
山芋
さつまいも
なつめ
とうもろこし
人参
ちんげんさい
鶏肉
などが良いでしょう。
こうしてみるとどれも普段私たちが
食べている食材ですので
「ちょっとおすそ分け」
のつもりで愛犬に薬膳のトッピングごはんを
試してみてはいかがでしょうか?
それではハッピードッグライフ♪