こんにちは
獣医師の横山恵理です。
5月の今日この頃
日中は気温が30度近くまで上がって
暑くなるのに
夕方以降や翌日にはまた肌寒い
といった日が続いています。
私たち人間でもかなり体力を消耗するのに
洋服で温度の調整ができない犬達には
かなりの負担のようです。
下痢が続いたり
体調にははっきりとは出ていなくても
「脾(ひ)」の経絡に弱りの「証(しょう)」
が見られるコがたくさん来院しています。
脾は東洋医学で消化器にあたり
身体の中心をつかさどっています。
証とは東洋医学的な診断所見で
もともとの体質や体力そして
症状などを合わせたその時の体の状態を
あらわします。
そんな
元気が出ない・疲れがたまっている時に
おすすめな薬膳料理が
身体を温めて滋養強壮してくれる
「参鶏湯(サムゲタン)」です。
とはいえ人がいただく参鶏湯には
犬にはあげられないニンニクやねぎが
使われていることも多いですし
高麗人参なんて近所のスーパーでは
手に入りません。
そこでキュティアでは
家の冷蔵庫にあるもので簡単に作れて
犬も一緒に食べられる
かんたん鶏粥をよくご紹介しています。
材料は何かというと
【鶏肉】
温中・補気・益精作用があり
身体を温め
食欲不振の改善
疲労回復に役立ちます。
脂が少ないけれど旨味のある胸肉が
お勧めです
【白米】
補気・健脾作用があり
嘔吐や下痢を改善してくれます
【人参】
高麗人参ほどではないものの
西洋人参にもちゃんと
健脾・消食・補血作用がありお腹を
元気にして消化不良を改善してくれます
【山芋】
健脾・補気・和胃・益精作用があり
消化促進だけでなく
疲労回復や体力回復にも役立ちます
この4つの材料を
普段からお勧めしている昆布だしで
コトコト煮込めば出来上がりです。
お肉やお野菜は消化しやすくするために
なるべく小さく切ってあげましょう。
過熱後にフードプロセッサーに
かけるのが理想です。
下痢が続いている場合は少量から始め
翌日から通常の量
(体重1キロ当たりお肉10~15g)を
与えるようにしてください。
人間には塩や薄口しょうゆ
そして多めの生姜を足すと
とてもおいしくいただけますよ☆
また本格的な参鶏湯に入っている
栗や棗(なつめ)も
【栗】
益胃・健脾作用があり
脾胃を養って下痢を改善します
【棗】
補中益気作用があり胃腸虚弱を改善
といった作用があるので
これらを入れることでより
薬膳作用を強めてくれます。
そしてもちろん
いつもご紹介している
「まこも」も「脾」を補ってくれるので
おすすめです。
とても簡単につくれる薬膳料理なので
愛犬が下痢している
食欲がない
元気がない
ときなどに一度お試ししてみてください。
それではハッピードッグライフ♪