12月に入り寒い日が続いていますが、体調など崩してはいませんか?
先月冒頭で、寒い季節になると、泌尿器系の病気が増えるというお話をしました。
最近も検査で異常を示すシニア犬・老犬が増えているので、今回は冬場に多い下部尿路疾患についてお話したいと思います。
尿検査ではいったいどんな病気のサインがわかるのでしょうか。
尿検査は、
試験紙による検査
顕微鏡検査
尿比重の測定
を行うのが一般的です。
その他にも特殊な検査がいくつかありますが、一般的なものについてお話します。
まず、試験紙では
膀胱炎などの下部尿路疾患だけでなく、
糖尿病や腎臓・肝臓の病気などが隠れていないか
がわかります。
顕微鏡では
結石のもととなる結晶成分が出ていないか、
細菌や異常な細胞がないか
などを見ます。
また、尿比重測定では
オシッコの濃さを測ることによって
腎臓の機能をチェックすることができます。
尿比重測定は
血液検査よりも早く腎機能の低下を知ることができるので、シニア犬になったら定期的なチェックをおすすめします。
さて、なぜ冬場は尿石症や膀胱炎などの下部尿路疾患が増えるのでしょうか?
その原因に、寒くなると飲水量が減ることが関係しています。
飲水量が減ると
尿量が減り
尿が濃縮され
結晶ができやすくなります。
結晶には
尿のphが高くなる(尿がアルカリ性になる)と
できやすくなるストルバイト結晶や
体質やphが低くてできやすい
シュウ酸カルシウム結晶などがあります。
結晶の表面は凹凸があるため、細菌が繁殖しやすくなり、放っておくと膀胱炎になる可能性があります。
また、逆に膀胱炎になると細菌によって尿のphが高くなり、ストルバイト結晶ができやすくなります。
このように尿石症と膀胱炎は相互に関係しています。
たびたびトイレに行っている
トイレの失敗をする
排尿に時間がかかる
排尿の姿勢をとっているが出ない
尿に血が混ざっていることがある
などの症状が出たら、すぐに病院で検査してもらいましょう。
また、キュティア老犬クリニックに併設している犬のしつけ教室ドッグベースキャンプに
来ている子犬・成犬達のように何も症状は示していないけれど、検査してみたら結晶がたくさんでていた!
などということもあります。
症状がなくても冬場は一度オシッコの検査をすることをおすすめします。
それではハッピードッグライフ☆