シニア犬・老犬の運動
シニア犬・老犬だからといって日々の散歩や運動を止めてしまうと、立てなくなったり、歩けなくなったりなど老化を早める原因にもなります。体調、足腰、関節などの様子を観察しながら、程よい散歩をすることも老犬にとっては良い運動になります。
元気なシニア犬・老犬は適度の運動が上手
散歩に行くのを嫌がったり、大好きなおもちゃに見向きもしなくなったり・・・・・。
「疲れやすいのだから、散歩はやめたほうがよいのでは?」と、考える老犬の飼い主様もいるかもしれません。
しかし、たとえ足腰がよわっても、日々の運動や散歩をやめてしまうと、関節や靭帯、筋肉が硬くなったり、体重増加や血行不良になったりなど、老化を早めるさまざまな症状につながります。
それでは、どのような点に気をつけて散歩や運動をさせたらよいのでしょうか?
散歩・運動をさせる際に気をつけたいこと
犬の体調とウォーミングアップ
体調が悪い、疲れているなと感じたら、散歩を休みにするか、時間を短めにします。足腰が弱ってきたなと感じたら、階段やじゃり道などを避け、歩きやすい散歩コースを選びます。
若いころと同じ距離やコースの散歩は、老犬にとっては身体に負担がかかってくる場合があります。愛犬の体調をみながら今までより距離をみじかめにしたり、途中で休憩したりして調整しましょう。
急な運動は心臓や関節の負担になります。
関節を軽く曲げのばしするストレッチをしたり、室内にリードをつけて歩かせたり、お庭で歩かせたりして身体をほす準備運動させてからお散歩にいくようにしましょう。
散歩や運動するときの気温と時間帯
夏場などの気温の高い時間のアスファルトは、とても高温になっています。また犬の平熱は人間よりも高いので、気温の高い時間帯にお散歩に行くと熱中症や熱射病にかかりやすくなります。
お散歩に行く時間帯の目安としては、手のひらを地面にあてて冷たいと感じる時間帯が良いでしょう。地面が暖かいと感じる場合は、朝であればもう少し早い時間に、夕方でしたらもう少し遅い時間にずらして連れていくようにしましょう。
太陽の光に当たると体内で分泌される「メラトニン」というホルモンが増加します。
分泌量が増えると14~17時間後には眠くなると言われています。そのため朝散歩が良いとされています。
シニア犬・老犬は体力も衰えてきているので、お散歩の時間帯には注意したいものです。
散歩の途中で日光浴
以前より歩く距離を短くし、犬のペースに合わせて、ゆっくりと歩くように心がけます。
途中、公園などで一休みしながら、自然や人々とふれあうのもよいでしょう。
ドッグランに車で連れて行き、いきなり放すなど、急激に運動をさせるのはやめましょう。
自力歩行が困難な犬だったら、天気の良い日には抱っこしてお散歩やお庭で日光浴させてあげましょう。公園までカートなどを使って連れて行き、芝生や土の上を歩行補助ハーネスなど使用して立たせたり、少し歩かせるだけでもよい運動になります。
外の空気や環境が変わることによって、脳の刺激にもなり体内リズムの改善にもつながります。
お散歩のときの持ち物
足を通すタイプの歩行補助ハーネスがない場合は、 大きめのタオルで歩行を補助してあげるのもいいでしょう。
愛犬の身体にあわせて肢、しっぽ、排泄部分に穴をあけて身体を通せば歩行補助にもなります。
急にふらついたりした時や、歩くのを嫌がったりした場合には身体を包み込んで抱っこするのにも重宝します。
シニア犬・老犬になると、体温調整するのが難しくなり喉が渇きやすくなってきます。
特に夏場の水分補給はかかさないようにします。お散歩中にお水を飲ませるのに、携帯用の給水ボトルなどを持参すると良いでしょう。お散歩時のマナーとして排泄した場所にお水をかけるのにも使えます。
一方で、冬場は寒がるときも多くなるため、防寒のために服を着せるのもわすれないようにしたいです。
寝たきりの犬を公園などへ連れて行って日光浴させる際は、床ずれ防止のクッションなども持っていきましょう。
万が一の場合に備えて、携帯電話を持っていきましょう。体力が衰えてきているので、急に具合が悪くなったりする可能性があります。かかりつけの動物病院や家族に連絡するための手段として持ち歩くようにします。
また、不測の事態に備えて移動するための交通費も持っているとより安心でしょう。
幸せ老犬ライフチェック
散歩の前に関節をマッサージして、ウォーミングアップすると体に負担がかかりません。歩き方がよろよろしていたり、すぐに帰りたがったりする場合は病気を疑ってみましょう。
小型犬のように散歩が必要でない犬も外に出ると気分転換ができ、ストレス発散になります。