立冬も過ぎ、暖房が恋しい季節となってきました。そんな季節に身体を温めるためによく登場する食材「生姜」。実は、中医学的には、身体を「冷やす」生薬と定義されているのです。
なぜ冷やすかというと
具体的には「辛温解表薬(しんおんげひょうやく)」といって、辛味で発汗を促し邪気を散らす役割をしています。一時的に身体は温まるものの、最終的には邪気とともに体温も発散してしまいます。
風邪の時などに使用されるのはこのためです。また、邪気を発散する際気を上に持って行ってしまう為、下半身の冷えや、頭ののぼせを持っている場合、より症状を悪化させてしまうこともあります。
食養生やハーブを学んでいる方たちから「温める食材と習った」と指摘されることもありますが、発汗のために一度は体温が上がる為、着目するタイミングの違いであると考えられます。
調理方法で変るんです
そんな生姜ですが、蒸してから干して「乾姜(かんきょう)」となると、「温裏薬(おんりやく)」という、身体を芯から温める生薬に変わります。冷え性改善のためにはこちらの方を使用します。
ただ、この乾姜、生姜と比べてもさらにぴりっとするため、味に敏感なわんちゃんには同じ温裏効果のあるシナモンをお勧めしています。
もっと中医学を深めます
このように、薬膳の食材一つとっても、様々な場面や疑問に対応するためにはより具体的な理論の習得が必要となってきます。そんなこともあって、中医学の理論をより深めるため、この秋から佐々木先生とともに国際中医師*の勉強を始めました。
まだ基礎理論の段階ですが、臨床経験を積んでから学びなおしをすることで様々な発見があり、とても楽しく授業を受けています。
より的確な治療ができるよう、眠気に負けず頑張ります。
それではハッピードックライフ♪
国際中医師:
https://www.iatcm.com/doctor_exam2.html
2020/11/20
キュティア老犬クリニック
獣医師 横山恵理
獣医師 横山恵理