Vol.96

ヘルニアのダックス安静期間は?

公開日:2018.10.19

皆さま こんにちは♪
獣医師の佐々木彩子です。

9月は過ぎてみればほとんどが雨で
晴れたのはほんの数日だったようです。

台風や前線の影響で
調子の悪いコもいました。

10月に入り朝晩は冷えるようになり
徐々に身体は「冬」へと向かって
変化しています。

老齢犬の中にはもう
身体が冷えてしまっているコもいます。

そろそろ腹巻きをしたり
棒灸であたためてあげるなどの
冷え対策を始めましょう。

さて今月の登場は
ミニチュアダックス17歳の男のコ
クーくんです。

クーくんがキュティアに来たのは
ちょうど2年前の10月末
当時は15歳でした。

以前から
時々腰の痛みはあるものの
大きな病気もなく元気
食欲もばっちりだったそう。

ところが初診の2週間前に突然
排泄時に左後肢がダランと
麻痺してしまいました。

かかりつけ医へ駆けつけたところ
ヘルニアのため場合によっては
手術が必要かもしれない
と言われたそうです。

高齢のため
手術が心配なのと
去勢手術の入院の時も
声がかれるほど鳴いていた
こともあって

なるべく入院せずに治したいと
キュティアへ来院されたのでした。

診ると
左後肢が麻痺していたのと
背中に少し痛みがあり
「おけつ」もたまっている
様子でした。

治療を終え
麻痺が治るまでは
1週間に1回通ってくださいね

とお話しした翌週のこと

クーくんの足を見ると

「あれ!歩いてる!」

「そうなんです!
 先生に言われた通り
 ケージレストをやめて
 歩かせたら徐々に
 歩き始めたんです☆☆」と!

ヘルニア=1~2ヶ月絶対安静!

と言われてしまうことも
多いのですが

老犬の場合
1ヶ月も安静にしていたら
関節がこわばり
筋肉も衰えて
歩けなくなってしまいます。

キュティアでは
安静にするのは痛みが出てから
1週間だけで良い
とお話しています。

そこからは
ゆっくり無理のないペースで
歩行できる場合は
滑らない場所で動いてもらっています。

クーくんにも同じことをお話しました。

1回で麻痺が改善したので
その後は2週間に1回
1ヶ月に1回と
治療間隔を空けていきました。

今も健康維持と未病のため
継続して通院してくださっています。

一時
すごく怒りっぽくなり
咬むようになってしまったり
夜中に起きてしまったりと
認知症の症状が出てきました。

試しにDHAやEPAのサプリメント
を飲んでもらったところ
イライラしなくなりました。

夜はお母さんと一緒に
リビングで寝るようになったら
鳴かなくなったそうです。

このように
家族の愛情と
ちょっとした工夫で症状が改善する
こともあります。

シニアになると
不安になりやすくなります。

どうぞそっと寄り添って
あげてくださいね。

それではハッピードッグライフ♪

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