皆さま こんにちは♪
獣医師の佐々木彩子です。
今年の梅雨明けは例年より早く
蒸し暑い日が続いていますね。
キュティアに通われている
わんちゃん達も
のぼせの症状が出ているコが
非常に多いです。
クーラーで腰は冷えているのに
ハァハァが止まらなかったり
なぜか涼しくなってきた
夜中にハァハァし始めたり
と・・・・・。
実はこの症状も
東洋医学的に肝と腎が関係しています。
クーラーで腰=腎を冷やしてしまうと
腎の気をおろす働きや
鎮静作用が弱まり
気が上昇しやすくなります。
また
夜中にハァハァし始めるのは
夜中の1時が肝の気が
上昇しやすい時間だからです。
エアコンで除湿をして
部屋を涼しくし
熱中症対策をすることも大切ですが
特に老犬の場合は
腹巻をして腰を冷やさないこと
また棒灸であたためてあげる
などのケアが大切です。
まだまだこれからが夏本番!
乗り越えて行きましょう。
さて今回は
先日18歳のお誕生日を迎えた
イングリッシュ・コッカースパニエル
のキャリーちゃんのご紹介です。
キャリーちゃんが
キュティアに初めて来院したのは
約2年前の16歳の時
16歳になってから
お腹が弱くなり
すぐに下痢をしてしまう
ようになりました。
また
昼夜逆転や徘徊など
認知症の症状も出始めていました。
後ろ足の動きも徐々に
悪くなってきていたようで
初診時は
首と腰が下がり
背中を丸め
前かがみになった
かなりの背弯姿勢でした。
週1回から2週間に1回ほどの
ペースで鍼灸治療を行い
体調は比較的安定していたのですが
昨年の1月末に前庭疾患を患い
首が上げられなくなり
自力での歩行が難しくなりました。
そこで車イスを購入していただきました。
車イスに乗せてあげると
傾きはあるものの上手に歩きました。
17歳になる少し前頃から
一人でお留守番をさせるのが心配と
飼い主さんがお仕事の日には
週に2・3回キュティアのデイケア
でお預かりするようになりました。
その後
約半年の間に徐々に車イスでも
うまく歩けなくなり
そのせいか吠えてしまうことも多く
興奮が治まらないこともしばしば
飼い主さんも意を決して
お仕事をやめられ
キャリーちゃんの介護に専念
することにしました。
1日4回の食事
排泄の介助
起きている時には車イスに乗せて
少し動かしてあげて・・・・
の繰り返しの日々。
特にキャリーちゃんは
起きている時には
吠えていることがほとんどだそう。
つきっきりでみているため
近所に買い物へ行く時間どころか
自分達のごはんを作る余裕すらない
時もあるようです。
週末はご主人に協力してもらい
息抜きに外出しているようですが
平日は下手したら
「今週誰かと会話したの
先生たちが初めてかも」
なんて鍼灸治療中におっしゃいます。
キャリーちゃん
本当に愛されているな~
とつくづく感じます。
でも
老犬の介護はきれいごとばかり
言ってはいられません。
「この前もあまりにも
寝ないで
ずっと鳴いてるから
イライラして怒っちゃって
でも怒ると余計に興奮しちゃって
怒ってもダメなんですよね。
でもわかってるけど
イライラする~!」
とお話してくれました。
人間ですから
疲れればイライラするのも当然です。
愛するがゆえにイライラする
こともあります。
介護は本当に大変です。
ワンオペでは限界があります。
周囲の人や動物病院に協力してもらい
息抜きの時間を作ったり、
悩みを聞いてもらいましょう。
飼い主さんのストレス発散も
とても大事です。
飼い主さんあっての介護ですから。
5月末で18歳になったキャリーちゃん
これからも
大好きな飼い主さんと
1日1日を大切に過ごしていきましょう。
それではハッピードッグライフ♪