シニア犬・老犬の床ずれ

キュティア老犬クリニックには床ずれの治療に通院しているワンちゃんがいますが、中には寝たきりなのに床ずれひとつ出来ていないコもいます。床ずれは一度かかると再発しやすいやっかいな病気ですし、辛い思いをするのはワンちゃんです。愛犬が寝たきりになったら床ずれの予防と正しいケアをしてあげましょう。
老犬が寝たきりになると床ずれになりやすくなります
キュティア老犬クリニックはシニア犬・老犬の緩和ケア・介護医療を専門とした動物病院です。今まで多くの床ずれの治療にあたってきました。
元気に歩いていた愛犬がしだいに歩行がおぼつくかなり、寝たきりになることの心配が出てくると、飼い主さんに床ずれ防止のアドバイスをさせていいただきます。とくにお家での寝床の状態などが大事なポイントとなります。
また、すでに寝たきりになってしまったため進行した床ずれの治療に来院する患者さんもいらっしゃいます。
寝たきりになると血行不良により、皮膚の一部が壊死して床ずれがおこりやすくなります。床ずれは一度なると再発するやっかいな病気です。床ずれを防ぐためには、時間のインターバルを決め適時寝返りをうたせてあげることも必要になります。
防水床ずれ防止マットやクッションの活用
寝たきりの状態が続くようでしたら、早めに低反発素材の「ドッグケア防水床ずれ防止マット」や、中にビーズの入った柔らかい「ドッグケア防水床ずれ防止クッション」使うようにします。

詳細は電話かメールでお問合わせください。
これらの床ずれ防止用品は、寝たきりの状態でなくても利用価値がとても高い用品です。愛犬の体重がかかっても沈み込みが少なく、体圧をしっかり分散し効果的に床ずれを予防します。また、カバーの表面はウレタンラミネートを使用しているため、防水効果がとても高く、お手入れはカバーを拭くだけで十分です。
愛犬たちにとっても使い心地がとても良いようで、元気なシニアの時から自分の寝床として使っているワンちゃんも多くいます。
では、床ずれについて詳しく考えてみましょう。
床ずれについて
床ずれってどんなこと?
床ずれは寝たきりの状態が続き、体重のかかる部分の皮膚がながい間寝具に圧迫されることで血行が悪くなり、皮膚表面の組織が壊死したもので、褥瘡(じょくそう)ともいいます。
寝たきりのシニア犬・老犬だけに限らず、若くても身体が不自由なために寝たきりの犬にも起こりやすい 症状です。
床ずれは表面からみえない内部組織での発生初期には肉眼では確認できないため、処置が遅れ傷の状態が進行してしまっていることがあります。
寝たきりになると、疾患をかかえていたり、運動量が低下することで食事量もおちてきます。
痩せていき骨が出っ張りやすくなります。特に骨が出っ張っている部分(ほお、肩、腰、前足首、後足首など)は寝床と接しているため、皮膚に身体の重みがかかってで圧迫され、血液の流れが悪くなり床ずれが出来やすくなります。

症状はどんな?
初期は皮膚が赤くなったり、薄くなって痒みや痛みを伴います。また水ぶくれの様なものができ、破けてジュクジュクした傷になります。
症状がすすむと炎症が皮下組織にも至り骨や関節を壊してしまうこともあります。皮膚に穴が開いたように見えますが、皮膚の下がさらに大きく広がっている場合もあります。
表面は分泌液で湿っていて、そこに細菌感染がおきると膿が出てくることもあります。
体力が落ちている場合には、床ずれから細菌感染を引き起こして、命に関わる場合もあります。
なんといっても予防が大切です
床ずれは一度できると再発しやすく完治するにも時間を要します。床ずれが起きやい部分と寝床との圧迫を、できるかぎり減らしあげることが発症させない一番の予防になります。
毎日注意深く愛犬の皮膚の状態を観察する習慣をつけましょう。寝返りやマッサージの時などに床ずれができやすい部分をチェックすると良いでしょう。2~3時間おきに体位変換をして、圧迫される部分が集中しないようにする必要があります。また、寝具や生活する場所の通気性などにも気をつけてあげたいものです。
床ずれになってしまったら
床ずれになったと思ったら、症状が悪化しないためにもなるべく早く動物病院に連れて行きます。傷口を清潔にし圧迫がかからないように処置することで回復に向かいます。
壊死している部分を取り除き、細菌感染の有無を調べるためにも、まずは獣医師の診察・治療を受けてから、自宅での手当てのしかたなどを教えてもらいましょう。
寝たきりでおむつを使用している場合は、こまめに交換して排泄物で皮膚が汚れたままの状態にならないよう清潔に保ってあげることが大切です。
自宅でのケア方法-寝返りの打たせ方
寝かせた状態のまま背中だけ持ち上げて寝返りさせるのは内臓に負担がかかってしまいます。
・一度だきあげて上体をおこしてから反対側を向かせましょう
・犬の背中側にまわり、片手は犬の肩下に差し入れます
・もう一方の手では犬の両肢を持ち、肩と腰の部分を支えてお腹が下を向くよう身体をおこします
・伏せをするようなポーズになります
マットレスなどの上に犬のお尻から下ろし、身体をしっかり支えながらゆっくりと全身を反対の向きに寝かせます。
自宅でのケア方法-手作りパット
床ずれ部位の周囲の毛は汚れの原因となるため、動物病院ではバリカンで刈ってしまいます。
床ずれの治療は床ずれ部位を乾燥させないことが重要になります。傷口を乾燥させてしまうと痛みがでる こともありますし組織の再生も妨げてしまいます。
皮膚の再生には分泌液でうるおっていることが重要になるので、出てくる分泌液はそのままにしておき、床ずれの部分をパットでやさしくおおうようにします。
参考までに、キュティア老犬クリニックで使用している床ずれ部位を保護するための手作りパットをご紹介します。
用意するものは
・人用の母乳パット
・小さい穴が開いている水切り袋
・両面テープ
・テープ絆創膏
です。
作り方は簡単です。以下の写真で説明していますので参考にしてください。

自宅でのケア方法-手作りパットの使い方
手作りパットで床ずれ部位を覆い、関節や骨の出っ張っている部分にテープ絆創膏で張ります。
床ずれの保護が目的の場合は毎日1回は交換してあげます。床ずれ部位がグジュグジュしているような場合は、1日2回を目安に交換します。
床ずれが膿んでいなければ、床ずれ部分を銀イオン水、生理食塩水、マコモ液などを入れた霧吹きで吹きかけて保湿状態にしてあげましょう。
銀イオン水は普通の水道水より除菌効果も高いのでおすすめしますが、人肌程度のお湯でも代用できます。

その上に手作りパットをかぶせテープ絆創膏でとめておくようにします。
床ずれが膿んでいる場合は動物病院での処置が必要となりますので気をつましょう。
ドッグケア防水床ずれ防止マット・クッション
足腰が弱くなってきて寝ている時間が長くなると、血行が悪くなり床ずれを起こす事があります。
一度床ずれになると治りにくく、患部から細菌に感染する恐れもある床ずれは、何より「予防」が大切です。床ずれは一度治癒しても再発しやすいので、3年程度は再発予防が必要になると言われています。
体圧を効果的に分散し、いつも清潔に使用できるタキコウ縫製のドッグケア防水床ずれ防止マットが身体への負担を少なくし、床ずれを防いでくれます。
体圧分散効果
床ずれを防止するには体位変換が重要となります。
ドッグケア床ずれ防止マット防水は、体位変換の頻度(回数)を軽減することができます。
ドッグケア防水床ずれ防止マットレスの体圧分散効果
【ラブラドールレトリーバーの成犬を対象とした実験結果】
床ずれ防止マットレスを使用することで体圧の集中が避けられており、
接触面積も1080c㎡→1620c㎡と増加。
優しく支えられている様子がわかります。
床ずれを防ぐ2層構造
やわらかい低反発ウレタンだけでは底付きしてしまいます。
底付きを防止する高反発フィルターフォームマイクロチップと2層にすることによって体圧をしっかり分散し、効果的に床ずれを予防します。
良質の素材を使用
ウレタンラミネートによる防水・特定用途制菌・難燃加工を施した高伸縮・高強度の素材『GalaxMC』を使用。
制菌加工を施してあるので、お手入れはカバーを拭くだけで十分。水が入りにくいファスナーを使用しているので感染予防にも対応します。
キュティア老犬クリニックでは必需品
クリニックではヘビーユースになります。
治療もマットの上で行いますし、デイケアでお預かりしている子もマットの上で休みをとります。よだれがついたりもしょっちゅうですが、素材の表面の防水力がしっかりしているので拭きとりも楽々です。
「柔らかすぎず硬すぎず」はシニア犬や老犬にとってはとても大事なことです。当マットは床ずれ予防にも効果的な硬さです。
サイズ | 幅 | 長さ | 厚さ |
M 小型犬用 | 50cm | 67cm | 5cm |
L 小中型犬用 | 60cm | 100cm | 5cm |
LL 中型犬用 | 60cm | 120cm | 5cm |
3L 大型犬用 | 100cm | 120cm | 5cm |
※大型犬用(3L)には持ち手は付いておりません。
ドッグケアドーナツ・そらまめクッション
ドッグケアドーナツ・そらまめクッションは体位変換・姿勢保持の時に無理なく身体を支え、やさしく包み込むように身体を保持してくれます。呼吸ケアにも効果的で、寝たきりのワンちゃんの負担を軽減してくれます。汚れたら手洗い洗濯でき、とても衛生的です。
厳選された素材を使用
タキコウ縫製社は40年にわたって人用のビーズクッションを縫製してきました。そこから得た様々なノウハウを生かしながら、厳選した素材を使うことで使いやすい犬用クッションを提供しています。
クッションの表面はナイロン100%の収縮性に優れた2way生地素材を使うことで身体をやさしく包みます。裏面は防水・制菌加工されたGalaxMCによりいつも衛生的にお使いいただけます。
※GalaxMC=ポリエステル100%、特殊ウレタンラミネート加工、抗菌加工、特定用途菌加工

中材は直径0.5mm以下の細かい発泡ポリスチレンビーズを使用することで柔軟な使い心地のクッションを可能にしました。
※クッションの布地に傷がつくとビーズが出てきますのでご注意ください。
キュティア老犬クリニックでも活躍
床ずれ予防には、一日に何度も身体の向きを変えなければなりません。クリニックでの介護中は、床づれのある所が直接マットに触れることがないよう注意しています。床ずれのある位置によって、ドーナツクッションとそらまめクションとお使いわけています。クッションの中のビーズと全体の素材とが適度な硬さを保っていてとても使い易いです。
ドーナツクッション

サイズ | 幅 | 長さ |
S 小中型犬 | 27cm | 27cm |
M 中大型犬 | 35cm | 35cm |
そらまめクッション

サイズ | 幅 | 長さ |
S 小中型犬 | 24cm | 39cm |
M 中大型犬 | 30cm | 47cm |
※ドーナツクション、そらまめクション共に大型犬でもセットする位置によってはSサイズも便利にご利用いただけます。
飼い主様からのメッセージの一例
キャバリア14才、ラック、男の子、静岡市
今回はドーナツクッションの小さいサイズが届きました。ありがとうございました。寝たきりでオムツをつけていますが食欲があってまだとても元気です。ベビーカーに乗せて散歩にいくのが好きです。家の中ではマットの上での生活です。上体をおこすことが多くだんだんずれてマットから落ちるときもあります。マットは水拭きができるのでとても楽です。床ずれが出来ないように注意しています。
ラブラドール13才、リン、女の子、さいたま市
LLサイズにするか3Lにするか迷って8ヶ月前にLLを注文しました。リンはすぐに気にいったようで寝心地がいいようでマットの上に居るときが多いです。その時は後ろ足がよたよた状態で今も同じ状態です。
ただ寝るときに頭の位置が下がるようなのでタオルをまるめてしいてましたが、今回同居犬の9才ラブも一緒に使えるように3Lとそらまめクッションを買いました。タオルの代りにクッションにして隙間部分に小さなタオルを入れるようにしています。LLと3Lをくっつけて2頭はいつもその上にいます。
柴17才、タロ、男の子、仙台市
左腰のところに床ずれができかけたので3Lを購入しました。床ずれは先生にみてもらって早めだったので治りました。11月で寒いのでフロアーにマットを置いてます。湯たんぽを入れるといいと電話でいろいろ教えていただきありがとうございました。早速置いたところ温かそうに寝ています。5才年下の同居犬もマットの上で寝ています。大きなサイズでよかったです
A.コッカースパニエル15才、ナツキ、女の子、大阪市
【キュティアショップより】
マットの上はペットシーツ程度にしておくのが良いと思います。布団などを敷くとせっかくの反発系素材の性能をそこねてしまいますので。
*****
ハーネスで何とか歩いていたのですが寝ることが多くなりました。体重も1.5キロへってやせてきました。マットの上はなにも敷かなくて良いですか? LLサイズです。
幸せ老犬ライフチェック
話すことのできない、意志をうまく表示できないワンちゃんはその痛さにじーっと我慢するだけ。
飼い主さんのちょっとした注意とケアで、寝たきりのワンちゃんも床ずれ知らずで過ごさせてあげたいですね。