Vol.86

飼い主だからこそ! 動物たちの終末期

公開日:2017.12.20

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皆さま こんにちは♪
獣医師の佐々木彩子です。

朝晩の冷え込みが
かなり強くなりましたね。

私も腰が冷えやすいので
腰にある腎のツボ「命門」に
毎日せんねん灸を貼っています。

あるワンちゃんは
たった一晩カイロを貼り忘れただけで
翌朝吐いてしまったり
足の調子が悪くなってしまいました。

それくらい冷えは大敵です。

毎日しっかりお灸をしているコは
寒くなっても比較的
調子が安定しています。

お灸以外にも
飲み水を白湯にしたり
フードをあたたかくしてあげるのも
おすすめです。

「温活」で冬を乗り越えましょう!

さて前回に続き
終末期医療についてお話をします。

キュティアへは
代替医療として東洋医学を求めたり

またセカンドオピニオンとして
たっぷり話をしたい聴きたい

ということでご来院される
飼い主さんが多くいらっしゃいます。

飼い主さんのお話しを聴くと
ときどき耳を疑いたくなる
ことがあります。

病院嫌いなコなのに

「毎日点滴をしに病院へ来ないと
 命の保証はできない」

「点滴を毎日してるから
 生きているんだ」

言われた。

飼い主さんは助けを求めて
病院へ行っているのに

「もって1週間
 もうできることはありません」

とろくに向き合ってくれない。

自分の治療方法だけが正しい
と思っていて

他の治療方法や
飼い主さんの意見を受け入れよう
ともしない

などなど・・・。

病気のことしか見ていないのでは
と思うような診察に疑問を
感じることがあります。

もっと患者である動物たちを
みてあげてください!

と声を大にして言いたくなります。

同じ病気で同じように点滴を
しなければならない状態でも

そのコによっては回数を減らして
ストレスをやわらげてあげたり

自宅でできるように
指導してあげることもできるのです。

動物にストレスをかけていたら
治る病気も治りません。

同じ病気でも患者が違えば
治療へのアプローチは
変わってくるのです。

そこで
しっかりしなければいけないのは
飼い主さんです。

どこまで治療してあげたらいいか

何もせず家で静かに過ごさせて
あげた方がいいのでは

少しでも楽になるなら
出来る何かをしてあげたい

飼い主さんの思いは様々だと思います。

しっかりそのコの状態を見つめ
飼い主さま自身も
どうすれば穏やかな終末期を
愛する動物たちと一緒に過ごせるのか

をしっかり考えることが大切です。

今の治療方法に
少しでも疑問に思うことがあるならば
先生に聞いてください。

このように過ごさせてあげたい
との思いがあるなら

ちゃんとそれを先生に伝え
理解しあえるようにしましょう。

そのような信頼関係を結べない
ようなら

勇気をだして他の病院のドアを
開けてみることも方法かも
しれません。

最後は飼い主さんの
考え方と言動に尽きます。

そしてもう一つ大切なことは
好きだったことは
最期までやらせてあげること。

「なるべく散歩は控えたほうがいい 」

 と言われました

「でも外が大好きなコなんです」。

どうぞお散歩に行ってください!!

歩けなかったらカートに乗せても
抱っこしてでも!お庭だけでも!

好きなことやしたいことは
できる限りやらせてあげる

動物も発散することで
気の巡りがよくなるのです。

ガンで余命1ヶ月と言われ
寝たきりだったワンちゃんが

車イスに乗ったら
みるみるうちに元気になり
半年以上も生きたことがあります。

終末期の過ごし方で
悩まれるの当然のことです。

動物たちはこうして欲しい
と話してくれないので

だからこそ動物の声に
耳を傾けてましょう。

一緒に暮してきた
飼い主さんだからこそ
わかることがたくさんあります。

少しでも多くの動物たちが
穏やかな最期を迎えられる
ことを祈っています。

それではハッピードッグライフ♪

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