朝晩の冷え込みがかなり強くなりましたね。私も腰が冷えやすいので、腰にある腎のツボ「命門」に毎日せんねん灸を貼っています。あるワンちゃんはたった一晩カイロを貼り忘れただけで翌朝吐いてしまったり、足の調子が悪くなってしまいました。
それくらい冷えは大敵です。毎日しっかりお灸をしているコは寒くなっても比較的調子が安定しています。お灸以外にも飲み水を白湯にしたりフードをあたたかくしてあげるのもおすすめです。
「温活」で冬を乗り越えましょう!
アプローチは動物と飼い主さん毎に違うのに
さて前回に続き、終末期医療についてお話をします。キュティアへは代替医療として東洋医学を求めたり、またセカンドオピニオンとしてたっぷり話をしたい聴きたい、ということでご来院される飼い主さんが多くいらっしゃいます。
飼い主さんのお話しを聴くとときどき耳を疑いたくなることがあります。
病院嫌いなコなのに、
「毎日点滴をしに病院へ来ないと命の保証はできない」
「点滴を毎日してるから生きているんだ」
と言われた。
飼い主さんは助けを求めて病院へ行っているのに、
「もって1週間 もうできることはありません」
とろくに向き合ってくれない。
ストレスを少しでも和らげてあげる
自分の治療方法だけが正しいと思っていて、他の治療方法や飼い主さんの意見を受け入れようともしない、などなど・・・。病気のことしか見ていないのではと思うような診察に、疑問を感じることがあります。もっと患者である動物たちをみてあげてください!、と声を大にして言いたくなります。
同じ病気で同じように点滴をしなければならない状態でも、そのコによっては回数を減らしてストレスをやわらげてあげたり、自宅でできるように指導してあげることもできるのです。動物にストレスをかけていたら治る病気も治りません。
同じ病気でも患者が違えば治療へのアプローチは変わってくるのです。
飼い主さんがしっかりと
そこでしっかりしなければいけないのは飼い主さんです。どこまで治療してあげたらいいか、何もせず家で静かに過ごさせてあげた方がいいのでは、あるいは少しでも楽になるなら出来る何かをしてあげたい。
飼い主さんの思いは様々だと思います。
しっかりそのコの状態を見つめ、飼い主さま自身もどうすれば穏やかな終末期を、愛する動物たちと一緒に過ごせるのかをしっかり考えることが大切です。
今の治療方法に、少しでも疑問に思うことがあるならば先生に聞いてください。このように過ごさせてあげたいとの思いがあるなら、ちゃんとそれを先生に伝え理解しあえるようにしましょう。そのような信頼関係を結べないようなら勇気をだして、他の病院のドアを開けてみることも方法かもしれません。
最後は飼い主さんの考え方と言動に尽きます。
好きなことをさせてあげる
そしてもう一つ大切なことは好きだったことは、最期までやらせてあげること。
「なるべく散歩は控えたほうがいい 」
と言われました
「でも外が大好きなコなんです」。
どうぞお散歩に行ってください!!
歩けなかったらカートに乗せても抱っこしてでも!お庭だけでも!
好きなことやしたいことはできる限りやらせてあげる。動物も発散することで気の巡りがよくなるのです。ガンで余命1ヶ月と言われ寝たきりだったワンちゃんが、車イスに乗ったらみるみるうちに元気になり半年以上も生きたことがあります。
飼い主さんだからこそ
終末期の過ごし方で悩まれるの当然のことです。動物たちはこうして欲しいと話してくれないので、だからこそ動物の声に耳を傾けてましょう。一緒に暮してきた飼い主さんだからこそわかることが、たくさんあります。
少しでも多くの動物たちが、穏やかな最期を迎えられることを祈っています。
それではハッピードッグライフ♪
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どのように過ごすか?動物たちの終末期
https://cutia.jp/jyuuishi-inu-neko-column/sinia-inu-rouken/2017-11-20
獣医師 佐々木 彩子