4種類の薬から減薬後も良好なコーギー-頑張っている犬たちをご紹介-

こんにちは 獣医師の横山恵理です。

今年も残るところあとわずか。

みなさんにとって
今年一番のニュースは何だったでしょうか?

私にとって一番大きな出来事は
何と言ってもキュティアで働き始めたこと!

以前から
「もう少しゆっくり犬や飼い主さんと
 向き合いたい」
という漠然とした思いがあったので

たわいない会話を通して色々な
お話をすることができる
キュティアの診療方針は
私にとって理想的なものでした。

また
以前からこっそり勉強していた
ホリスティックケアを治療に活用でき

西洋医学のみでは
鎮痛剤やステロイドで
ごまかすしかなかったような症状の
犬たちがんばっている姿に
私もとても励まされた1年でした。

今日はそんな犬のなかの1匹、
ミルクちゃんをご紹介したいと思います。

milk2015_main

ミルクちゃんは14歳のコーギーの女の子。

もともと変性性脊髄症(DM)という
後肢の麻痺から始まり
じわじわと全身に麻痺が広がって
いってしまう病気を患っていたのですが

2014年11月に
自己免疫性溶血性貧血を発症。

すでに後肢麻痺で歩けないミルクちゃんを
抱いての通院が困難だったため
3日間の入院後は飼い主さんだけが
かかりつけの病院にいって
薬をもらう日が続いていました。

ところが半年ほどたったころから
ミルクちゃんのお腹が膨らみ始め
8月には体が倍の太さになるほど
ぱんぱんになりました。

9ヶ月の間
4種類もの薬を投与し続けたことで
こんなことになったのではないかと
疑った飼い主さんが

減薬と入院を期に
やめていた手作りご飯についての
相談を希望して
キュティアに往診を依頼してきました。

実際に診察をしてみてびっくり

ミルクちゃんのお腹には
ペットシート5枚がびちょびちょになる
ほどのおしっこが溜まっていました。

ミルクちゃんはDMによる麻痺で
自分の力でおしっこをすることができなく
なっていたのですが

どうしても膀胱に入りきらなくなった
おしっこが漏れ出ていたため
飼い主さんはまさかそんなことになっている
とは気づかなかったようでした。

ミルクちゃんがその時処方されていたお薬は
免疫抑制量のステロイド剤と
ステロイド剤の副作用を緩和するための
薬剤・抗生物質・肝臓の薬でした。

ミルクちゃんの体の状態を考えると
肝臓の薬をマコモに変更し
体の状態を整えることで
減薬は可能と判断しました。

以前コラムでご紹介しているように

マコモは肝に入り
薬物の疏泄を促すことで
毒性を緩和することができます。

また
マコモはZIP13という亜鉛を
体で活用するために必要な物質を
活性化する作用があります。

必須アミノ酸と亜鉛も多く含むことから
丈夫な結合組織を作る効果ももっているので

ミルクちゃんの肥大した膀胱を
元の状態に戻すための補助としても
効果的と考えられたためです。

ご飯については
加齢や筋肉の衰えに対応するには
動物性たんぱくをしっかりと摂れる
手作りご飯のほうがのぞましいことと

飼い主さんがとてもよく勉強していた
ことから

入院以前に使っていた材料に
腎によいとされている食材を足した
手作りご飯に変更していただくことに
なりました。

ミルクちゃんは5月から前肢も麻痺し
寝たきりの状態だったのですが

DMの進行を遅らせるためには
筋肉に刺激を与えることが大事なので

ご飯やお水の時飼い主さんの足に
挟んでフセの姿勢をとらせることと
手足のストレッチを行う
ことをお願いしました。

また前肢が動いていた時期
マッサージなどのケアをせずに
酷使していたことから
前胸部のコリが溜まり
左右がクロスした状態で固まって
しまっていたため
整体の施術を受けてもらうことになりました。

飼い主さんとミルクちゃんの頑張りの
おかげで

9月になるころには
ミルクちゃんはフセの状態をキープ
できるようになり

10月には
免疫抑制剤1剤まで減薬することができました。

本当は免疫抑制剤もやめて
マコモのみで経過観察をするという
選択肢もあったのですが

自己免疫性溶血性貧血は再発率が高く
DMと加齢で体力の落ちている
ミルクちゃんにはリスクが大きすぎると判断し
最低限の用量で維持していくこととなりました。

11月に入り
DMの進行から呼吸が苦しくなってきた
ことから鍼灸治療も開始し

頑張ってキュティアに通ってきています。

鍼灸治療や整体だけでなく
かかりつけの病院では相談しにくい
手作りご飯についての相談や

西洋医学のセカンドオピニオンとしての
相談にも対応しています。

鍼灸にはちょっと抵抗があるという方も
気軽にお問い合わせください。

それではハッピードッグライフ♪

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