Vol.112

保護犬13歳、新幹線で福岡から東京へ

公開日:2020.02.19  / 最終更新日:2023.06.07
福岡の保護センターから東京に移動した老犬

2019年のクリスマスの日に福岡の保護センターから東京の温かいご家族へ迎えられた1匹の老犬がいました。名前はムクくん、ゴールデンレトリーバーとテリア犬のMIXで推定13歳です。

新しい飼い主さんと新幹線に乗ってはるばるやってきたムクくん。最初は緊張のためか無表情で、歩くこともできず、皮膚はかさぶただらけでボロボロ、腰には大きな床ずれもあったそうです。

キュティアにやってきた

保護犬の左腰にできた床ずれ

ムクくんがキュティアにやってきたのは年が明けた1月20日でした。

飼い主さんの熱心なケアのおかげで床ずれはきれいに治っていました。後半身の毛は脱けていて皮膚にはかさぶたもありましたが、

「これでも一皮むけて見違えるほどきれいになったんです」

とお母さん。

ここ最近やっと尾をふったり感情表現ができるようになってきたそうです。下半身の筋肉はかなりおとろえていましたが、栄養たっぷりの手作りごはんのおかげで寝たきりに近かった状態からは回復してきていました。

初めての鍼灸治療を終えると一人で立って歩き始めました!

10日後に再びキュティアに来たときにはハーネスで支えなくても一人で歩いて院内に入ってきたのでびっくりしました!お散歩の距離も伸びているようで、顔つきも明るくなってきました☆

歩けるようになった保護犬

現在の写真を保護施設の方に送ったらびっくりされたそうです。

シニアの保護犬も幸せに

全国にはたくさんの保護犬がいます。若いコは貰い手も見つかりやすいですが、10歳以上の老犬は飼い主さんが見つかりにくいのが現状です。

ムクくんのように寝たきりに近い状態で家族がみつかるのは本当に幸せなことだと思います。ムクくんの幸せな時間が少しでも長く続きますように。そして、少しでも多くの保護犬が温かい家庭で過ごせることを願っています。

それではハッピードッグライフ♪

2020/02/19 更新
キュティア老犬クリニック
獣医師 佐々木彩子
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