Vol.105

犬にも棒灸の効果はてきめん!

公開日:2019.07.25  / 最終更新日:2020.04.19

皆さま こんにちは♪
獣医師の佐々木彩子です。

ドンヨリ梅雨空が続いていますね。

去年はとても梅雨明けが早かったので
今年はとても長く感じます。

日照時間が短いのと
気温が例年に比べて低いこともあり

老犬たちの多くがお腹が冷えて
しまっています。

うちの子供達も食欲が落ちていて
補中益気湯という
お腹を元気にしてくれる
漢方を飲ませたり
お灸をしたりして
何とかしのいでいます。

ワンコ達もお腹を冷やさないように
腹巻きをしてあげてくださいね。

さて今月は6月30日に
18歳のお誕生日を迎えた
シーズーの男のコ
ドクくんをご紹介します。

ドクくんが
キュティアに来院したのは
ちょうど3年前のこと。

当初は
ストルバイト結晶ができやすく
血尿を繰り返す
後ろ足が弱くなってきてふるえる
夜中に起きる(吠えないけど
ハァハァして起きてしまう)
などの症状がありました。

血尿は鍼灸治療と
食事を鶏肉から豚肉へ替えてもらい
ハトムギや冬瓜など
利尿作用のあるものを足してもらう
ことですぐに改善しました。

その後だんだんと
夜鳴くようになってきたため
漢方薬も併用してもらったところ
夜鳴きはすぐにおさまりました。

そんなドクちゃんですが
去年の春のフィラリア検査の時に
腎臓の数値がかなり高くなっている
ことがわかりました。

それまで2・3ヶ月に1回の
鍼灸治療でしたが
2週間おきに治療頻度を上げました。

そして自宅で週1回皮下補液を
してもらうようにお願いしました。

チック症状や小刻みな震え(けいれん)
も頻繁に出るようになりました。

後に点滴をした後に
けいれんが増えることが判明・・・。

よほどのストレスだったみたいです。

BUNも90から65まで
下がっていたので
皮下補液はやめていただきました。

治療頻度を増やしたこともあり
点滴をしていなくても数値は
ほとんど変わらず今にいたります。

飼い主さんもドクくんのケアの
スペシャリストで

夜にハァハァがひどくなったら
背骨をつまみながらなでおろし
腰の「腎兪」と「湧泉」という
後ろ足にあるツボに棒灸をあてたり

桶屋奇応丸という漢方を飲ませたりして
症状を落ち着かせています。

お姉さんが言うには
症状がひどい時には
ホットタオルやカイロ
あずきのちから
など何をやっても変わらず

棒灸であたためないと落ち着かないそう
棒灸すごい!とおっしゃっていました。

お灸の力は本当にすごいです。

ぜひ皆さんもやってみてください!

それではハッピードッグライフ♪

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