Vol.87

犬のホモトキシコロジーを始めました

公開日:2018.01.31  / 最終更新日:2023.06.05

犬のホモトキシコロジーいいお天気が続いたお正月休み。お出かけや来客が続いたり、いつもは仕事で忙しいお父さんがたくさん遊んでくれたり。とても楽しい時間を過ごせたわんちゃんも多かったようです。

私の方は残念ながら元旦の夜から熱を出し、お布団の中でひたすら本を読んですごしていました。かなり久しぶりの宇宙関連の本。以前と比べるといろんなことが解明され、常識が塗り替えられていることに驚かされました。

現代医学では解明しきれない事

そのなかでも興味深かったのはダークエネルギーの話。ダークエネルギーとは映画の悪役が使う必殺技の名前・・・。ではなく、1998年超新星の観測により、確実となった宇宙の膨張に不可欠なエネルギーのこと。

理論上存在は確定しているものの、現在のテクノロジーでは測定することができないため、「ダーク(=正体不明の)エネルギー」と名付けられているのです。

宇宙に存在するエネルギーの7割は、このダークエネルギーが占めています。物質や光の干渉を受けないため確認することができない物質・ダークマターと合わせると、地球を含めた全宇宙の大半のことが現在のテクノロジーでは確認できていないのです。

ふと気づきました。これって宇宙だけでなく現代の医学にも言えることなのではないか・・・・と。

「氣」とは存在するのか?

例えば、キュティアで行っている鍼灸治療は「氣」を整えることで生き物がもつ身体の力を引き出していくことを目的としています。しかし目に見える物・数値を身体の全て、ととらえる現代西洋医学では「氣」の存在は完全に否定されています。

でもエネルギーだけでも7割もわかっていないものがあるのに、「わかっている3割に当てはまらないから偽物だ!」というのはナンセンスなんじゃないかなと思うのです。

獣医師としてデータやエビデンス(根拠)だけでなく、気持ちなど見えないものを含めた「患者さん自身」にきちんと向き合えるようにならなくてはいけないな、と再認識させられました。

ホモトキシコロジーって何?

ところで昨年よりキュティアでは、やはり現代西洋医学で否定されているホリスティック医療の一つ「ホモトキシコロジー」、も治療に取り入れるようになりました。

飼い主さんには「ドイツ版の漢方薬」とご紹介しているのですが使用症例もかなり増えてきたためあらためて紹介させていただきます。

自己治癒能力を刺激する

ホモトキシコロジーのお話をするには、まずホメオパシーについて説明をしなければなりません。ホメオパシーとは「同種療法」と呼ばれる病気の症状を起こす原因と同種の毒素を身体に入れることで、自己治癒能力を刺激する治療法の一つです。

毒素を非常に薄め活性化(希釈振盪(きしゃくしんとう))して使うことにより、体に与える悪影響を最小限にとどめることができます。的確なカウンセリングを行って使用できれば、驚くほどの効果を上あげることができます。ところが種類が数千種にのぼる上、患者さんの精神・感情・身体すべてのレベルの症状を分析しなければならないため、使いこなすのにはかなり経験を積んでいかなくてはなりません。

そんなホメオパシー薬を複数組み合わせることで、身体レベルの症状からだけでも薬剤を特定でき、治療効果をあげるようにしたものがホモトキシコロジーになります。

「生薬」と「漢方薬」のような位置づけ

ちょうどホメオパシーが「生薬」でホモトキシコロジーが「漢方薬」に当たる、と考えていただくのが分かりやすいと思います。「自己治癒能力を最大限に発揮できるようにする」、という目的が同じであるため鍼灸治療や漢方薬との相性もとても良いです。

ホモトキシコロジー薬にはシロップや注射剤などがあります。漢方薬を飲ませることが難しいわんちゃんでも投薬しやすいですし、漢方薬や鍼灸治療の効果を増幅させることもできるので、治療薬の選択肢の一つとして取り入れることにしました。

ホモトキシコロジーに効果あり!

ずいぶん以前から存在は知っていたのですが、西洋医学の薬や漢方薬と同様に、効果があるからには間違った使い方をすれば副作用がでることもあります。むしろ効果が強くはっきりと出やすい分、副作用も強くはっきりと出ることも少なくないようです。

そのため東洋医学の施術にそれなりに自信が持てて、勉強の余裕が出るようになるまで使用を見合わせていたのです。使用し始めてまだ数か月ですが腎不全や心臓病など、効果に手ごたえを感じる症例も多く出てきています。

気になる方は気軽にお声がけください。

それではハッピードッグライフ♪

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  獣医師 横山恵理
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