Vol.155

犬の筋肉もコラーゲンペプチドでプリプリに!

公開日:2025.12.10
犬の筋肉もコラーゲンペプチドでプリプリに!頑張って沢山お散歩したり、お肉をトッピングしたりしているのに愛犬の筋肉が衰えてしまうことを「加齢だから」とあきらめてはいませんか?

高齢犬となり消化能力や代謝能力が衰えてしまっても、年齢に合ったケアを取り入れることで筋肉をつけることは可能です。今回は20歳を過ぎても筋肉量を増やすことができた、ジャック君を紹介いたします。

楽しい老犬ライフには筋肉量維持が必須

筋肉量の減少というと関節炎などの足腰トラブルや肥満の印象が強いかもしれませんが、それ以外にも高齢犬に起こる様々なトラブルに関わってきています。

心臓や腎臓の衰え

人間ではふくらはぎの筋肉が「第2の心臓」といわれていますが、それは犬でも同じ。後肢の筋肉がポンプのように血を全身に巡らせる働きをしています。この機能が衰えると心臓の負担が増えるだけでなく、毛細血管の血流により老廃物の除去を行っている腎臓の負担にもなってしまいます。

夜鳴き

後肢の衰えによる日中の活動量低下だけでなく、自分が歩きたいときにうまく身体を動かすことができないという苛立ちがストレスにつながります。特に東洋医学でストレスを主るとされている「肝・胆」の活動が最も活発になる23時~3時が苛立ちのピークとなり夜鳴きトラブルが起こりがちです。

咳や誤嚥

後肢の筋肉が衰えることで前肢の負担が増えて肩甲骨の動きがこわばりがちになり、肋間筋や横隔膜がしっかりと動かせなくなってしまいます。そのために呼吸が浅くなって咳につながったり、喉や舌の筋肉がこわばって誤嚥を起こしたりしてしまうことも少なくありません。

関節炎再発!?

今年5月に20歳を迎えたジャック君も夏を過ぎたころから、筋肉量の減少で関節炎が再発しはじめていました。

様々なトラブルを乗り越えて20歳に

慢性の鼻炎やヘルニアのケアで13歳の時に来院したジャック君。西洋医学と東洋医学の治療をうまく組み合わせてこまめなおうちケアを続けることで胃拡張や慢性膵炎、腎不全、誤嚥性肺炎などの様々なトラブルを乗り越えながらもマイペースに過ごしていました。

目下の悩みはねばねばの鼻水による咳だったのですが、台風シーズンに入ってきたころから以前ヘルニアの手術をした頸椎とは違う部位、背中から腰にかけて触ると頻繁にポキポキと音が鳴るようになってきたのでした。

老犬のポキポキ音は関節炎のサイン

関節がポキポキと音を立てるのは、関節腔内が陰圧となった時に滑液に溶けている窒素が気化して弾けることで起こります。これは健康な状態でも起きることであり。時折であったり痛みを伴うものでなければ問題はありません。

ところがこのポキポキ音、筋肉量が減ったり、靭帯や筋膜が硬くなってくることで関節腔圧のコントロール不全がある場合にも起こるのです。老犬で、ちょっとした身じろぎで激しい音がする場合はこちらに該当し、変形性関節症の初期症状でもあるのです。ジャック君の場合は、年齢や頻度からこちらに該当すると考えられました。

20歳でも筋肉を取り戻せる?

まだ痛みはでていないジャック君でしたが、加齢と胃拡張で流動食がメインになっていること、季節の変わり目で今まで以上にじっとしているしている時間が多くなっていること等から、筋肉が少なくなり、筋膜も硬くなってきていました。

20歳の老犬でも筋肉を取り戻せる

ハイシニアにお肉の増量は?

シニア犬でも比較的若い犬でしたらお肉のトッピングなどで筋肉を増やすことができるのですが、加齢により消化吸収能力が低下しているハイシニア犬ではいたずらに腸内環境を乱す結果となり、身体を作ることにはつながらないことも少なくありません。

コラーゲンペプチドをお試しで

コラーゲンペプチドは、皮膚などに多く存在するコラーゲンを加熱して取り出したゼラチンを、酵素をつかって分解し低分子にしたものです。以前はそこから消化されてアミノ酸として取り込まれるので意味がないと考えられていましたが、一部は分解されずにペプチドのまま体内に吸収されて皮膚や筋膜、腱などの軟部組織の材料になるほか、その元となる線維芽細胞を刺激して生成を促進する作用があることもわかってきています。

また分解された分の非必須アミノ酸も、高齢になって体内での生成能力が低下している状態では筋肉や骨などの材料として有用なため、ジャック君にも取り入れてもらうことにしました。

1か月でプリプリの背中に!

ずっと継続している漢方やおうちでのリハビリなどのケアの相乗効果もあり、2週間後の来院時にはポキポキ音が消えていたジャック君ですが、4週間経ったその次の来院時には背骨の横の筋肉のボリュームが増えただけでなく、筋膜や皮膚の弾力が増してプリプリの触感の背中を取り戻していました。

筋骨トラブルだけでなく、コラーゲンペプチドをハイシニア犬のケアに取り入れることで、皮膚のコラーゲン密度を取り戻すことによる乾燥トラブルの改善や、非必須アミノ酸不足解消による体重増加等さまざまなメリットが得られます。気になる症状があるようでしたら、試してみてもよいかもしれませんね。

それではハッピードッグライフ♪

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キュティア老犬クリニック
  獣医師 横山恵理
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