VOL.54

動物に起こりやすい春の病気

公開日:2015.04.19

関東の桜も
あっというまに散ってしまいました。

今年は雨の日が多くお花見をする
タイミングを逃してしまった佐々木です。

さて今月は
中医学(東洋医学)の考え方の基本である
「五行学説」をもとに

春に起こりやすい病気について考えてみたいと思います。

五行学説とは
宇宙に存在するすべてのものを
「木・火・土・金・水」の五行に分類します。

それらの個々の性質や相互関係が
体質や病態を把握するためにとても重要になります。

2月の立春を境に
自然は春を迎え徐々に陽の気を増やして
草木が芽を出します。

春は五行説でいうと「木」に属します
そして五臓六腑でいうと
「肝」がこの「木」に当たります。

肝は将軍の官ともいわれ
軍隊=体のエレルギー(気)の
統率者にあたります。

「木」はのびのびとしたい! 抑えつけられるのはイヤ!

という性質があります。

つまり「木」に属する肝が
抑えつけられると(ストレスがかかると)
軍隊=気が暴走してしまったり
逆に働かなくなってしまいます。

ちょっと難しいお話ですよね。

具体的な例で考えてみましょう。

実はうちの17歳のエンジェルが
3月末に前庭疾患になりました。

眼振がひどく
斜頸もあり
立てなくなってしまいました。

めまいもひどくご飯も食べられません。

西洋医学では前庭疾患は特発性
つまり原因がはっきりわかっていないとされています。

しかし東洋医学では
「肝陽上亢証」といって肝の気が上半身に
上り過ぎたことが原因と考えます。

肝の気は
「木」の性質から上へ上へのぼろうとしてしまうのです。

前庭疾患のような眼振
斜頸だけでなく
てんかん発作や筋肉のふるえ(手足のふるえや頭部の揺れ)
なども起こります。

引っ越しによる環境の変化や
大好きな飼い主さんと離れるなどの
極度のストレスやイライラが
原因になることもあります。

エンジェルの場合は
「肝」の母親にあたる
「腎」が弱っているために
出た症状と考えられます。

腎について話すと長くなってしまうので
またの機会にお話しますが
腎は気を下におろす働きがあります。

つまり肝の気を上にあげてしまう
性質を抑えてくれているのです。

しかし
この腎は老化とともに衰えていってしまいます。

老犬になって
腎が弱くなると
春になって暴走した肝気を
抑えられなくなってしまうのです。

治療としては
鍼灸で肝の気のめぐりをよくしてあげて
腎の力を補ってあげます。

エンジェルも今では
元気も食欲もすっかり回復しました。

しかし 老犬になってから前庭疾患を起こすと
それをきっかけに筋肉が一気に衰え
立てなくなってしまったという話も多く耳にします。

前庭症状は時間が立てば
落ち着いてはきますが

気のめぐりが悪い
というサインなので
鍼灸治療を受けられることをおすすめします。

その他にも
肝は目の病気やアレルギー症状とも関連があります。

春先はこれらの症状にも要注意です。

そこでこの肝に
とてもいいのが「マコモ」です。

私は花粉症があるため
このマコモを飲んでいます。

肝に効く=アレルギーに効くということです。

今年はお薬を使わずに乗り切れました!

マコモは様々な使い方ができる優れものです。

実際に使っている患者様のお話を
また配信していきますのでお楽しみに~。

それではハッピードッグライフ♪♪

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