このところ人間の子供の間で、RSウイルス感染症が大流行しているようです。風邪の一種で通常冬に流行する病気なのですが、今年の夏は天候不順の上に日々の気温差も激しかったため、身体が疲れ切ってしまい免疫力が低下しているのが原因のようです。
お腹の冷えには腹巻を
この夏に身体が消耗してしまったのは、室内で暮らしているわん子たちも同じ。気温はそれほど高くなくても湿度が高い日が続いたために、体感温度を高く感じてしまいます。そのためクーラーが強めになり、実は冷えをため込んでしまっているコが多いように感じます。
そういったコ達は一様にお腹が硬くなって、猫背になってしまっています。お家では飼い主さんがおへそのあたりに手を当ててやさしくマッサージをしてみてください。それだけでも随分緩んでくると思います。
また何度かコラムで触れているように、お腹の冷えには腹巻が一番お手軽で効果的です。お洋服が嫌いなコでなければ、ぜひ着けてあげてくださいね。
水鍼の治療をはじめました
さて、この夏からキュティアでは「水鍼(みずばり/すいしん)」を治療に取り入れました。水鍼なんて耳慣れない名前ですが、これも鍼灸の手技の一つ。ごく少量の注射薬をツボに注入することで、持続したツボ刺激を得る目的で使用します。使用する注射薬の種類はビタミン剤やプラセンタ等、症状によってさまざまな薬を使い分けています。
食が細いとかすでに複数の西洋医学の薬を服用しているといった理由などで、漢方薬の服用が難しい場合にも使用できとても応用範囲が広いです。
どうやら痛くなさそう
この水鍼の効果の高さは耳にしていたのですが、今までキュティアで導入しなかったのには理由があります。それは「ビタミン剤はすっごく沁みる!」ため、ビタミン剤を入れた点滴薬はほんの少し血管から漏れただけでも痛いのです。
それなのに原液を入れるなんて恐ろしすぎる!!と躊躇していたのですが「DMのコーギーちゃんに少しでも治療の選択肢を増やしたい」、という思いから数頭のコーギーちゃんに使用してみたところ全然痛くない様子。鍼と同様しかるべきツボを選択すれば痛みは感じないのでした。あんなにしみる薬なのに~。
他にも、一般的に悪化するのを抑えるくらいしか対処法がないような慢性腎不全でも改善を見せる等、予想以上にはっきりとした効果を見せてくれています。
そんな不思議な水鍼、興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
それではハッピードッグライフ♪
獣医師 横山恵理