皆さま こんにちは♪
獣医師の横山恵理です。
「心身一如」という言葉を
ご存知でしょうか?
これは
「精神と肉体は一体のもので
分けることができず
一つのものの両面である」
という
東洋の医学や宗教の考え方で
心と身体
またそれぞれの臓器でさえも
独立してとらえる西洋医学とは
全く異なる生体観念です。
皆さんも
ストレスから胃が痛くなった
という話は耳にしたことはある
とおもいますし
最近では腰痛や肩こりにも
ストレスが大きく関与している
ことが指摘されています。
他にも
大好きな山登りでがんが治った
など
精神面が健康に影響を及ぼすことは
知られつつありますが
「一体」であるからには逆の効果
肉体が精神に影響をおよぼすことも
あるのです。
今回は
鍼灸治療で「腎」を強くしたことで
分離不安が改善したわんちゃんを
ご紹介いたします。
海くんは13歳の
ミニチュアダックスの男の子。
半年に一度の健康診断で
尿比重が低くなってきたものの
血液検査は正常ということで
経過観察となったのですが
先住犬が腎不全になってから
数か月でなくなってしまったことから
今からケアできることはないかと
キュティアに来院されました。
ミニチュアダックスは
足の骨が未発達なことから
骨が属する五行の「腎」が
弱くなりがちです。
海くんもご多分に漏れず「腎」が弱く
気を降ろす力が弱いため
初診時は下半身は冷えて
毛がパサパサなのに
頭は気がのぼせ上ってカンカンに熱い
「冷えのぼせ」の状態でした。
東洋医学では「色が薄い=冷え」
ととらえるため
尿比重の低下も
この下半身の冷えからきていると判断し
気の巡りを良くして
腎の気を補う施術を行い
お家でも小豆カイロや棒灸で
下半身を温めたり
豚肉や春雨のトッピングご飯を
行ってもらうことにしました。
1ヶ月後に来院したときには
カンカンだった頭の熱が冷め
毛もふわっとした状態になっていました。
そしてうれしいことに
今までお留守番をしても
昼前までが限界だったのが
夕方まで落ち着いていられるように
なったとのこと☆
これは「腎」に属する「恐れ」の
感情に強くなったことと
腎の鎮静作用が強まったことで
ストレスにつながる「肝の熱」を
冷ますことができるようになった為と
考えられます。
「性格だから」
と済ましてしまうことも
実は体質もかかわっていることが
結構あるのかもしれません。
それではハッピードッグライフ♪